早春の河口湖

4月18日(土)~19日(日)に、JR東日本管内(接続私鉄も含み)における週末パス(2日間乗り放題:急行・新幹線のぞく \8,730)で桜が満開の河口湖を訪れた。
京浜東北線、武蔵野線・中央線・中央本線・富士急行を乗り継ぎ河口湖に9時に到着。意外と近い。薄曇りであるが時々富士の山頂が見え隠れしていた。以前から気になっていた湧水池群「忍野八海」へバスで向かう。

「忍野入り口」というバス停で降りる。観光地なのに、大勢のなかで自分1人だけ。松林の中に湧水池があるのだろうと勝手に思いこみ、林の中へ。観光地なのに舗装はしていないし、仕事でよく歩く林道よりひどい。何せこけが道路に生えており、歩いた痕跡が見あたらない。自分の歩みが今、こけに記録されている。もう少し行ってみるか。500mくらい歩いたところで東京電力の鉄塔があり道が終わる。つまり「管理用道路」だった。あーあ。下調べ無しの旅行はこれがある。まだ天気も悪くなかったので助かったが、とぼとぼ引き返す。旅の醍醐味!いやいや大誤算!!。次のバスは1時間後。通りをバスの行った方向へ。しばらく何もない。釣り人がいた。話しかけもせず目的地へ。30分歩き、「忍野八海」へ到着。バス停を4つほど通過した。
湧水は通常の土地ではみられなく、何かの水を通しにくい地層にぶつかったところ、または崖下などにみられるものです。


「忍野八海」は平坦な土地に深いたて穴が開き、下からこんこんと地下水があふれ出している。おそらく富士山の噴火による溶岩などで覆われ、今はわからなくなっている「埋没谷:昔の川が流れた谷地形が新しい地層に覆われ平坦となったもの」沿いに地下水が集められ、水の通しにくい古い岩盤とぶつかり、仕方なく地表を突き破っているものと考えられる。8個の遊水池、どこも美しい清らかな水が湧き出ている。桜と青い池のコントラストが最高である。深いもので8mの深度があると看板に書いてある。隣にいた若い日本男子が「深さ3mくらいかな。魚がよく見えるな」「看板見よ!」
周りの観光客を見渡すと、7割方中国人である。乗ってきたバスのアナウンスでも、日本語・中国語・韓国語の順であり、英語のアナウンスが省略されていた。これは統計調査などから決めたと考えられるが、現実にそのとおりである。ならば中国語を最も早くアナウンスした方がいいのでは・・・。
さておき、中国のおじちゃん・おばちゃんの話し声は大きいねというか、声が通るのか。日本人には発声できない声域ですね。しかしみやげ屋の日本のおばちゃんも声もでかかった。相手に合わせるのが本当の“おもてなし”でしょうか。
おみやげ内容も外国人向けですね。扇子・日本手ぬぐい・漆のはし・おわん、どこにも京都の舞妓さんが描い てある。あれ、ここは富士山ですよ。
ところでここ忍野八海は、日曜劇場「天皇の料理番」のロケ地となっていたようで、佐藤健・黒木華の演出が楽しみである。4月26日スタートなので見逃せませんね。


バスで河口湖へ戻る。湖畔では欧米人が多く見られる。当然中国の方もいらっしゃる。皆さん高性能カメラをお持ちですね。特に欧米の方、大きなカメラを持っています。湖畔散策道を行くと北欧系の老夫婦とすれ違う。彼らはそれぞれカメラを持ち盛んに桜の花を撮っています。

振り返ると雄大な富士山と桜が両方収められるのに、なぜか桜だけにこだわっているようです。よほど日本のまた河口湖畔の桜が美しいのでしょう。せっかく富士山が見えるのにねえ。近くの公園でとってもわからないですね。お国柄でしょうか。


本当に真っ白で均整のとれた円錐型の山頂と群青色に末に広がる山麓。富士山は人々を魅了します。これに淡いピンクのソメイヨシノ桜、やや濃い紅色のしだれ桜、もっと赤いエドヒガン、足もとに深紅の芝桜が加わり、もっとも美しい富士を演出しています。ああ今日ここに来て良かった。

夕日を浴びて赤くなる山容を待つこと2時間。寒くなってきた。これでも1枚余分に着てきたのだが。河口湖は標高900m以上。日が陰るととたんに冷気に包まれる。少し湖畔を早歩きで歩くが暖まらない。こりゃだめだと近くの和食店へ入る。まず「日本酒熱燗」を注文、トイレを我慢していたのを忘れていた。トイレから帰りメニューをみて「ほうとうとワカサギ天ぷらセット」を注文する。すぐ出てきた(他の人の注文ではないのか?)。出てくるなり、熱い「うどんの王様のような“ほうとう”」を一気にいただく。かぼちゃ、じゃがいもはかなり煮くずれしているが、そう、かぼちゃは濃い緑の皮しか箸でつかめない。どこに行ったのか?すべてはスープに化けています。ワカサギに箸を進め、熱燗もお代わり。すこし体が温まってきた。


会計を済ませ再び湖畔へ。漆黒の闇に包まれそうな時間帯となってしまった。おかわりが余計だった。かすかに富士の山容が見える。ライトアップした桜・対岸の旅館群の灯り・富士の山容が同時に撮れるのでは・・・。ここからが一眼レフの真骨頂。三脚とオートドライブで手振れを避け、シャッタースピードを限りなく遅くすると、撮れました。予想通り、肉眼で見えない富士が写りました。

朝一からバス降り場を間違え落胆したが、いい一日であった。また外国人の多さに驚かされ、どこかの外国の観光地にいる錯覚さえ覚えた。
Pyrox(短旅評論家)2015

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