早春の水戸

関東での春の便りは、最初が伊豆の河津桜、次には水戸の梅となろう。しかし歴史的価値を見た場合は、江戸時代の徳川家から伝承していることから見てもても水戸の梅は隔絶した春の発信地といえよう。
3月17日に丁度「水戸梅祭り」が始まったばかりでもあり、常磐線の季節臨時駅「偕楽園駅」で降りることができた。


駅のホームは下り線のみであり、当然東京方面からの客専用出口となっている。帰りはシャトルバスで水戸駅まででなければならない。この季節ならではのサービスである。しかしながら偕楽園にお越しの客は大半が乗用車である。自分のように電車派は少なく、パーキングが満杯で入り口渋滞しているようだ。しかし隣接した常磐神社、大きな池を携えた仙波公園などの梅の木が満載であり、全体が淡い白および紅の梅で染められ、生きたまま極楽にいるような雰囲気である。


東門から偕楽園に入園する。かなり多くの人が芝などでくつろいでいる。祭り雰囲気を向上させる提灯も並んでいる。周りにはカメラマンが多く、快晴の青空と白い梅をマッチングさせているようだ。この日の空は特に青さを増している。
何本くらいの梅が園内にはあろうか。どれも珍しい種類ばかりであり、この庭園が江戸時代から進化しながら醸成していることをうかがわせる。国宝並みの庭園を保つのは大変であろう。現在は茨城県土木部により保守されているようだ。このため入園料は無料である。しかしこの庭園が美しいのは水戸市民を代表とした見る側のモラルの高さもうかがうことができる。


しばらく行くときれいな和服を着た方々が並んでいる。水戸の大使だそうだ。総勢6名もいる。白梅の前に白の和服が並び、それぞれかなりの美人でもあり、ベストマッチングのショットをたらせてもらった。本当にいいサービスである。また水戸黄門様ご一行もおり、多くの人が一緒に写真に納まっていた。これも充実したサービスである。水戸梅まつりの計らいはゴージャス・グレートである。素晴らしいの一言に尽きる。


ひときわ高い場所に屋敷が見える。これは好文亭という歴史的建造物である。


好文亭に200円払って入る。多くの人が並んで多くの客間を巡る。水戸藩が接客で使用した迎賓館のようなものである。また好文ということから、文化人を招き茶会・唄会や俳句をたしなんだのではなかろうか。どこも輝きは少なく落ち着いた客間である。心を落ち着かさせるわび・さびの雰囲気を醸し出しているものと考えられる。
好文亭の2Fに上がった。天守閣に上がるような急な階段である。年配者が多くみな苦労して登っていた。しかしここから仙波公園などの梅の木を見下ろすと、さぞ大名になった気分を味わえる。ここでおいしい日本酒と魚でも食べたら最高である。
好文亭を出て、また園内を巡る。南側正面入り口付近には見事な竹林もある。

夕方になりまた人が増えてきた。夜祭りがかなりの見応えらしい。夕方から係員が多くのグラスキャンドルを並べ始めた。大きなS字、大文字などこの形状にこだわりがあるらしい。日没になると多くのカメラマンが大きな三脚をセット始める。その方向は日没にシルエットとなる好文亭を向いている。

この日は満月であり、梅と月とキャンドルの明かりが調和し水戸の夜空をゆるやかにともしている。20:40から花火大会があるという。しかし寒さが体に応える。公園レストランでチャーシューメンを注文した。周りの方々も厚い麺類が多いようにみえる。花火を見ずに会場を後にした。この寒さも早春の水戸市の良い思い出となった。

Short traveler 2017

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